放射能対策に悩む農家必見
2011年5月25日 4:22 pm
「ぼかし」化学肥料ではない、有機質の肥料を発酵させて作る有機質肥料です。牛豚等のたい肥も有機質肥料といいますが、直接肥料として土壌に混ぜ合わせるとアンモニア態窒素に変化する際に植物に有害な作用をもたらすことがあります。それを抑えながらゆっくりと穏やかに効き目がある肥料を、話や色をぼかすという意味で「ぼかし肥料」と呼んでいます。有機質肥料を微生物によって発酵させ、原形からぼかす(くずす)ためボカシ肥料と呼ぶ説もあります。
※ボカシ肥料は、数種類の有機質肥料(米ヌカ・油カス・骨紛・魚カスなど)に微生物資材を入れ、水を掛け醗酵させたアミノ態肥料のこと。
ボカシ肥料の参考ネタ↓http://www2.tokai.or.jp/shida/FarmAssist/bokasi/bokasi.htmより抜粋
一般に植物は『無機態チッソで吸収される』というリービッヒの法則を意識しますが、有機質肥料を醗酵(ボカして)させて『アミノ態・核酸で吸わせる』のがボカシ肥料です。
アミノ酸は、窒素源、核酸は、生物に共通の遺伝を司る化学物質で、農業上はDNA(デオキシリボ核酸)ではなくRNA(リボ核酸)のほうです。根から核酸関連物質を与えると窒素供給とは別に高い生育促進効果のあります。
有機肥料は組み合わせると効果拡大する!
有機肥料は、その種類によって無機化の特性が異なり、養分供給以外の効果も異なります。そこで、いくつかの種類を組み合わせて使い、それぞれの性質の恩恵にあずかるわけます。
日本全国で様々なぼかし肥料がありますが、我が家では「米ぬか、カニ殻、魚骨粉、大豆等と発酵菌」という、海の幸、山の幸、畑の幸、土蔵の酵母を会津の厳寒期気温が氷点下になる1月15日ごろから製作に入り、ハウスの中でに混ぜ合わせ、最高では70度までに発酵させて、完熟させます。
3月6日
これを稚苗(ちびょう)に振りかけたり、水田に混ぜ合わせ、植物が成長に合わせてゆっくりと栄養を取れるようにします。
4月29日
そして、水田の土壌には、前述の「ぼかし肥料」に加え、天然微量要素で構成される「貝化石肥料」(古代海洋生物が化石化した天然ミネラルを豊富に含んだ土壌改良剤 )、さらには菜種油を絞った残り粕で作られた有機質肥料「油粕」を混ぜ合わせて施用します。
通常は化学肥料を主体にした施肥体系になりますが、我が家は化学肥料は脇役として使用し、有機質肥料が主役の稲作をしています。
○ミネラルは、マイナスイオンですので、土壌の保肥力を高め流亡を防ぎます。
■珪酸の働きにより、珪酸細胞が発達するので、病害虫に対する抵抗力が強くなり、作物の生育が旺盛になります。
■多くのミネラルは他肥との併用によってUGF(未確認発育促進因子)と共に優れた肥効を発揮します。
■通常の貝化石は巻貝の化石が多く白っぽいが、ミネラルはねっこは二枚貝と昆布等の海藻の層であるため緑がかっており、コロイドケイ酸やフミン酸、そして二価鉄が多く含まれます。
■ 遠赤効果があります。
■ 施用することで微生物が繁殖します。
■ 様々な微量要素が含まれているため、連作障害を防止します。貝化石燃料
油粕肥料のペレット
完熟したぼかし肥料
放射の測定について
測定する放射能、我が家で使用している放射能測定器は、
http://www.ureruzo.com/pdf-kankyou/radex.pdf
形式 RADEX RD1503
検出器 ガイガー=ミュラー計数管
測定範囲 0.05~9.99 μSv/h
エネルギー感度 0.1~1.25MeV
測定時間 40±0.5秒
表示時間 連続的
アラームの設置 0.30, 0.60, 1.20 μSv/h
電源 単4電池x2本
連続使用可能時間 約550時間
動作環境 温度:-20度~50度、湿度:80-パーセント以上
これで農地を、4月は3回測定しました。
平成23年4月15日7時17分0.30マイクロシーベルト
平成23年4月22日5時58分0.28マイクロシーベルト
平成23年4月23日4時56分0.3マイクロシーベルト
に測定しています。
代掻きが終了し、今まで最高が0.3マイクロシーベルトを記録していた田んぼも、土の攪拌と入水によりかなり数値が下がって来ました。田植えをした5月15日、16日には0.18マイクロシーベルトまで下がっています。
平成23年5月1日15:54 0.18マイクロシーベルト
平成23年5月3日13:29 0.18マイクロシーベルト
平成23年5月7日14:13 0.28マイクロシーベルト
平成23年5月7日14:22 0.08マイクロシーベルト(苗)
平成23年5月11日6:55 0.16マイクロシーベルト
平成23年5月16日10:01 0.18マイクロシーベルト
苗の状況
4月9日にハウスに移して発芽を促進します。ようやく出て来た芽。4月29日
我が家ではプール育苗(いくびょう)と呼ばれる方式を取り入れています。稚苗にとって重要なものは水であり、この水やりが重要です。絶対に水を切らさぬようにと苗箱の底部にビニールシートを敷き、周囲を高くして7センチくらいの壁を作ります。ここに入水して、プールのようにして苗を育てるのがプール育苗です。
いつもは河川の水を使用するのですが、放射能を警戒して、全て水道水に切り替えました。経費は少し掛かりますが、ようやく農作業が解除になったので警戒してのことです。ちなみに本市の浄水場からは平成23年5月11日現在放射能は検出されていません。
http://www.pref.fukushima.jp/j/monitaring.suidouaizu0519.pdf
4月23日
稲も大きくなってきました。4月27日
さらに稲も測定をしています。稲は小さいながら成長しています。新しい苗が分かれてきます。これを分けつと呼びます。この分けつ苗が3.5枚、いわゆる3.5葉から4.5葉が田植えの適期とされています。
5月3日
5月7日
田植えは家族総出の一大事業、千葉の弟や、福島の妹が子供を連れて集結します。田植え機には、イネミズゾウムシ用の殺虫剤とイモチ用の殺菌剤、そして除草剤、我が家では基本的にこの時にしか農薬を使用しません。水の係り具合でこれから除草剤を使用するときもありますが、それ1回くらいの低農薬です。全てのものを1回のみ使用ということになります。
その秘密は、これです。くずジャガイモや玉ねぎです。ホタルイ等の雑草を抑制する効果があります。水が入る前に田んぼにすき込んでおいたのです。
4月23日
さて、田植えです。普通は3株から5株ほど田植え機がつかんで植えていきますが、我が家はここでも特殊な1本植えに挑戦しています。ほとんどの苗が1本です。これは広い田んぼに少ない苗を植栽して、広い田んぼですくすくと稲を育てるためです。植える間隔も30センチから60センチと大きく空けます。通常は20センチ間隔で3株から5株ですのでかなり疎植ということがわかります。
放射能対策は、ヨウ素はもうないと判断しており(実際にどこでも検出されていない)、セシウムをメーンとして対策にしている。セシウムとカリウムは酷似しており、カリウムを施肥することによりセシウム吸収されにくくなる。カリウムはもともと生体の強化につながるもので、植物の倒伏を防ぐものです。やり過ぎたとしても大きな影響はありません。
また、水から放射能は検出されていませんが、万が一のことを考えて取水口には放射能吸収の高いゼオライトを仕込んだ除去設備を設置しています。
さらには日本GAP協会に土壌の分析調査と収穫される米を調査に出す予定です。
また、稲にセシウムがはいったとしても、種子にはなかなか入らず、さらに万が一入ったとしても玄米部分であり、販売形態として扱う白米ではほとんどが残留がなくなるそうです。なので残留放射のゼロを目指した会津米栽培の挑戦は最後まで気を抜かずにやっていきます。