会津高野米のおいしいはなし

古くから米の産地として名高い会津高野

豊かな森に囲まれた会津盆地。粘度質の肥沃な土壌に流れ込む水は猪苗代湖の雪解け水。森林に貯留されている水がゆっくりゆっくり流れ込む湖の水は、人間が決してつくることのできない未知なる力があります。
その会津盆地の中でも高野の地は、古くから米づくりが盛んでした。高野町にある矢玉遺跡からは1200年前の米の品種が書かれた木簡が出土し、そこには米の系統選抜が記されていました。メンデルの法則も知らない先人たちが会津の風土に適した品種を選抜し、品種改良をしていたのです。この品種改良は明治時代まで連綿と続き、この事実は1684年に書き上げられた、会津の農業を体系づけた名著「会津農書」にも記録が残っています。その歴史を、自然と協調しながら現在へと継承し、今では心白の大きいコシヒカリの産地として名をとどろかせているのです。

会津高野米がおいしいわけ

肥沃な土壌に猪苗代湖から流れ込む水で育つ高野米のおいしさは言うまでもありません。
会津高野米は米粒が大きくて均一。その中に猪苗代湖の水を蓄えているかのようにみずみずしく、豊潤な大地を思わせるようなもっちりとした粘り気があります。冷めてもその粘りを失うことがないので、おむすびのおいしさも、また格別です。
豊かな自然条件に加えて、高野の地ではとてもやさしい稲栽培をしています。風通しよく、のびのびと育つようにと、稲と稲の間隔は通常の2倍以上。土の養分がたっぷりととれるので、稲自体に力があります。だから、病気にもかかりにくく、元気にすくすくと育ちます。そのたくましい力が米粒にしっかり蓄えられるから、米どころ会津盆地の中でも高野米は「最もおいしい」と評判が高いのです。

おいしく炊きましょう

おいしいご飯は日本人にとってはなくてはならないもの。豊かな食生活の基軸となるご飯だからこそ、おいしく炊きたいですね。
米を洗うとき、乾燥した米に触れる最初の水が重要。その水がしみ込んで米がご飯に変身していくのです。だから、とくに洗い始めは冷たくて上質な軟水を使うこと、そして手早く洗うことがポイントです。「研ぐ」というよりも「優しく洗う」という感覚で、心を込めて糠を落としていきましょう。
水加減で大切なお話しです。みずみずしい高野米は新米の風味がとても長持ちします。だから新米の時期から翌年の3月頃までは目盛りより少なめを目安に、好みの水加減で炊き上げてください。その後、次の新米までは目盛り通りで炊きましょう。30分から1時間、吸水させてから炊くことも忘れずに。しみじみとおいしいご飯は何よりのごちそう。冷めてもおいしい高野米だから、おにぎりも最高のごちそうになります。手心を込めたおにぎりの味に、ほのぼのと幸せを感じることでしょう。